(一社)賃貸不動産経営管理士協議会は27日、2007年7月の設立から10周年を迎えたことを機に、文京シビックホール大ホール(東京都文京区)にてシンポジウムを開催。約2,200人からの事前申し込みがあり、当日は約1,400人が参加した。
冒頭、同協議会会長の末永照雄氏は「16年9月に、賃貸住宅管理業者登録制度の一部改正により、賃貸不動産経営管理士に重要な役割が付与された。昨年、過去最高となる約1万7,000人が資格試験を受験したことが、注目度の高さを表している。国家資格化の実現に向け尽力するとともに、資格制度の普及にも努めていく」と挨拶した。
続いて、国土交通省土地・建設産業局長の田村 計氏が「居住ニーズが多様化する中、資格保有者の方々には専門家としての対応を期待している。昨今、サブリース等の問題が顕在化しているが、知識とノウハウを生かし、賃貸住宅管理の適正が進むことを期待する」などと話した。
第1部は、LIFULL HOME'S 総研所長の島原万丈氏が「寛容社会 多文化共生のために<賃貸住宅>ができること」をテーマに基調講演を実施。多文化共生のために“住”ができることについて、「まずは外国人に対する入居差別をやめること、共生のルールを明文化し周知・共有することが大切」とし、住民同士の交流やまちに開いたコミュニティづくりに加え、寮、シェアハウス、下宿、ホームステイ、民泊など、多様な住まい方を提供していくことの重要性を強調した。
第2部では、プリンシプル住まい総研所長の上野典行氏をコーディネーターに、(株)スマサポ代表取締役の小田慎三氏、(株)エスエストラスト代表取締役の杉本浩司氏、(株)ハウスメイトパートナーズ営業部課長の谷 尚子氏、(株)市萬代表取締役の西島 昭氏、(株)苗加不動産代表取締役の苗加充彦氏らが「豊かな賃貸ライフを実現する次世代の賃貸住宅管理業。~賃貸不動産経営管理士が担う役割と将来像~」をテーマにパネルディスカッションを実施。データベースの活用、DIY、ブランディングなど各社の空室対策、入居促進のノウハウを披露したほか、コミュニティ賃貸やテナント誘致でまちの活性化につなげた事例なども紹介した。