不動産ニュース / 調査・統計データ

2018/10/5

収益物件への融資、貸出残高過去最高も、慎重姿勢

 シービーアールイー(株)(CBRE)は4日、「CBREレンダーアンケート2018」の結果を公表、メディア向けに説明会を開催した。

 法人向けに、シニアローン(以下、シニア)やメザニンローン(以下、メザニン)など不動産ノンリコースローンの融資を扱う事業者を対象に、不動産市場の見通しや融資方針に関するアンケートを実施。シニアとは、裏付け不動産の第一順位の担保検討が設定された返済順位の高い貸付。メザニンとは、裏付け不動産に設定される担保検討が第2位以下であり、シニアローンより返済順位が劣後する貸付。回答企業は26社。実施期間は7月10日~8月3日。日本初のレンダーアンケートとなる。同社は今後、毎年実施する方針。

 始めに、不動産ファイナンス市場の現状について解説。2018年3月時点の不動産業に対する貸出残高が76兆5,000億円(前年同期比5.7%増)、貸出残高全体に占める割合が15%と、いずれも過去最高。「18年7月の金融政策決定会合後の声明において、日銀が当面は現在の金融緩和を継続すると明言したため、今後も良好な資金調達環境は継続すると考えられる」(同社アソシエイトディレクター・本田 あす香氏)。

 18年度のノンリコースローンの新規融資額は、17年度と比べて増加する見込み。シニアは「増加する」(22%)、「変わらない」(78%)、「減少する」(22%)。増加と減少が同数であるものの「融資額の大きいレンダーほど、『増加する』という回答が多いため、全体的には増加傾向となる可能性が高い」(同氏)。
 メザニンも、「増加する」(33%)、「変わらない」(59%)、「減少する」(8%)と、増加傾向が強い。物件価格とともに借入希望額が上昇し、シニアだけでは調達しきれないためメザニンの需要が高まる見込み。

 融資の可否を判断する際に最重要視する項目については、「LTV(不動産の評価額に対する貸付金額の割合」(27%)が1位。次いで、「安定した収益性」(19%)となった。融資残高が最も高いアセットタイプならびに、魅力的なアセットタイプの1位は「オフィス」。全国の賃貸オフィス市場の需給がタイトであること、地方都市では賃料上昇が見込まれることが理由。

 レンダーは今後の見通しについて、不動産価格の「上昇」傾向が続き、融資期間は「長期化」。LTVは「低下」し、スプレッド(貸付人が設定する基準金利に上乗せする利率)は「拡大」すると考えていることが分かった。不動産価格は低金利政策や投資家の取得意欲の高まりが反映されるもので、LTVの低下およびスプレッドの拡大は、キャップレートが現在ピークであり市場が反転するといったレンダーの警戒心が反映された結果。

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ノンリコースローン(Non Recourse Loan)

借入人が保有する特定の資産(責任財産)から生ずるキャッシュフローのみを原資に債務履行がなされる融資をいう。「ノンリコース」とは、その資産以外に債権の取立てが及ばない(非遡及である)という意味である。

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