不動産ニュース / 団体・グループ

2020/6/12

賃貸住宅管理適正化法成立、団体トップがコメント

 12日成立した「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」について、業界団体のトップから以下のようなコメントが発表された(以下、順不同)。

(公財)日本賃貸住宅管理協会 会長 末永照雄氏
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 会長 坂本 久氏
(一社)全国賃貸不動産管理業協会 会長 佐々木 正勝氏
(公社)全日本不動産協会 理事長 原嶋和利氏

◆(公財)日本賃貸住宅管理協会 会長 末永照雄氏

 この度の新法成立は、かねてより「賃貸住宅管理業の法制化」と「賃貸不動産経営管理士の国家資格化」を最大の目標に掲げていた当協会にとって、長年の悲願が達成された瞬間です。新法の成立によって、賃貸住宅管理業が宅地建物取引業法とは異なる新しい業として確立されたことは、非常に喜ばしいことです。

 新法ではサブリース契約(マスターリース契約)が、「特定賃貸借契約」として規定され、サブリース業者を含めた賃貸住宅管理業者の登録制度、賃貸人への重要事項説明、業務管理者(賃貸不動産経営管理士など)の設置が義務化されました。
 業務管理者に位置付けられた「賃貸不動産経営管理士」は、平成7年に当協会が開始した「賃貸住宅管理業務マネージャー研修」制度が原点です。今後、省令を経て、国家資格となる見込みです。本資格は国が認める専門家の証となるため、賃貸住宅管理業に携わるあらゆる方々が取得されることを願います。今後の賃貸不動産経営管理士の社会的地位の向上も大いに期待されます。
 当協会の内部組織である「サブリース事業者協議会」は業界唯一の事業者団体として10年以上前から自主ルールを定め、合計約300万戸を管理する会員と共に、業界の適正化を図ってきました。今後の賃貸住宅市場における新法の推進など、当協会が果たすべき役割と責任は、一層高まると考えております。

 最後になりますが、新法の成立に関し、多大なご尽力をいただきました会員及び関係者の皆様に、厚く御礼を申し上げます。

◆(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 会長 坂本 久氏

 これまで未整備であったサブリース業務の法的ルールが明示されたことは、業界にとって大変意義深い。
 賃貸住宅管理業の登録制度についても原則義務化となり、業界全体の信頼向上と底上げが期待できる。

 一方で、管理戸数200戸未満の事業者に係る登録義務の適用除外や、業務管理者の要件に一定の講習を受講した宅建士を含める等、中小事業者の負担軽減と宅建業からの乗り入れ円滑化についてもご配慮いただいた。
 これらの措置に感謝申し上げるとともに、賃貸管理業を魅力ある業界にするため、個々の会員業者が高い意識を持って取り組んでいけるよう、法律の目指すところをしっかりと周知していきたい。

◆(一社)全国賃貸不動産管理業協会 会長 佐々木 正勝氏

 本日、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案」が可決、成立しました。
 本会がこれまで継続して取り組んできました「賃貸不動産管理業務の標準化、適正化」が現実のものとなりました。
 現在、世界的に蔓延する新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響が出ている中で、「新しい生活様式」に対応した管理業務の確立、「ウィズコロナ」への対応が求められるようになります。
 私たち全宅管理は、『「住まう」に、寄りそう。』の下、引き続き各種事業を展開して参ります。

◆(公社)全日本不動産協会 理事長 原嶋和利氏

 宅建業に密接に関係している賃貸住宅管理に関して適正化が図られることは、宅建業の団体として大変喜ばしく、近年社会問題として取り上げられているオーナーとサブリース業者間のトラブル回避に大いに寄与すると考える。
 また登録事業者の賃貸管理業の健全化が図られ、賃貸住宅管理業を営む会員が直面している入居者とのトラブル防止につながることを期待している。
 全日として今回の法律により賃貸管理業の更なる発展となるよう会員への周知徹底に努めたい。

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