(一社)不動産協会は15日、第325回理事会を開催。2021年度の税制改正要望を決定した。
ポストコロナも見据えた経済の力強い回復に向けた重点要望として、固定資産税の評価替えに関する特別措置等を掲げた。菰田正信理事長は、「来年度は、3年に1度の固定資産税の評価替えの年。地価が上がっていた評価時点から間もなくコロナ禍に突入したため、その時の評価のままだと、実態を反映しない評価が3年間続くことになる」と危機感を強め、経済の力強い回復の実現に向けて、土地に係る固定資産税の一定期間の税額据え置き等の緊急措置や負担調整措置を求めるとした。その他、住宅ローン減税の控除期間の延長措置の延長や都市再生促進税制の特例措置の適用期限の延長、固定資産税の減免等といった税制上の支援措置や、宿泊施設や観光施設等の設備・運営等に対する税制上の支援措置創設なども盛り込んだ。
まちづくりの推進に向けては、都市の防災性能向上や物流効率化の実現に向けた支援措置の延長・創設、DX等の技術進展を踏まえたニューノーマルへ対応するための支援措置などを掲げた。豊かな住生活実現に向けては、住宅の買取再販に係る不動産取得税の特例延長、老朽化マンションの建て替え等の促進に係る特例の拡充なども求める。
菰田氏は、「例年は国土交通省など、各省庁の税制要望が8月末に出されるところ、9月末になる予定となったが、それに先行して決定した。引き続き各方面への働きかけを継続していく」と語った。
なお、併せて清和綜合建物(株)(東京都港区)と三菱商事都市開発(株)(東京都千代田区)のの入会を承認。2社を加えると、同協会の会員数は157社となる。