不動産ニュース / 団体・グループ

2021/8/27

全宅連、所有者不明土地対策等の税制・政策を要望

 (公社)全国宅地建物取引業協会連合会は27日、国土交通省に提出した「令和4年度の税制改正及び土地住宅政策に関する提言書」の内容を公表した。

 税制関係では、住宅用家屋に係る登録免許税や買取再販の住宅用家屋における登録免許税軽減措置、居住用財産の譲渡に係る各種特例、住宅ローン減税制度といった適用期限を迎える各種税制特例措置の延長を求める。また、住宅ローン控除等については築年数要件の廃止、床面積要件の見直しなどの要件緩和や、二地域居住住宅への適用といった内容も盛り込んだ。

 所有者不明土地等の発生抑制・利活用促進に向けては、所有者不明土地を利用して地域のために事業を行なう「地域福利推進事業」の対象事業拡充に向けた所要の措置を求めたほか、空き地・空き家の管理や再生・流通を手掛ける組織であるランドバンクが当該不動産を一時的に取得して流通させる場合の特例措置創設も要望した。また、同連合会が所有者不明土地の最大の問題だとする相続登記を円滑に進めるため、相続登記した場合の登録免許税免除もしくは軽減措置の創設も求めていく。

 さらに空き地・空き家対策として、隣地など一定の空き地・空き地を取得した場合の不動産取得税等の軽減措置も要望。また、空き家等の流通促進に向けて空き家の譲渡所得3,000万円特別控除について、相続時から3年以内とされる適用期間の緩和や築年月要件の見直しを求めるのに加え、事業・貸付の制限についても要件を緩和し、空き家の有効活用を促進する。

 このほか、新型コロナウイルス感染症による影響で固定資産税評価額が据え置かれている土地については、感染状況や経済状況等を踏まえて負担軽減措置を講じることを求めた。また、将来的な消費税率の再引き上げの可能性を考慮し、不動産取得税の見直し、印紙税の廃止など、不動産流通関連の多重課税の抜本的な見直しも要望していく。

 政策関係については、銀行の不動産仲介業参入・保有不動産の賃貸自由化について、高い知名度と豊富な情報量を持つ銀行が不動産仲介業等に参入すれば、地域の中小宅建事業者が圧迫されるとして阻止することを強く要望した。

 既存住宅流通市場の環境整備・流通活性化等に向けては、建物状況調査や既存住宅瑕疵保険、フラット35等で実施される建物の検査等を合理化し、利便性の高い仕組みを構築することを求めていく。賃貸の媒介報酬についても、労務の対価に見合った報酬への見直しを提言している。

 所有者不明土地に関連して、自治体が不要となった空き地・空き家の寄付を受け入れやすくなるよう、必要な制度整備を行なうほか、法定相続情報証明制度における資格者代理人に宅地建物取引士を追加するよう求めた。

 このほか、電子契約の環境整備等を行なうことや、不動産登記制度の改善等を盛り込んだ。

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所有者不明土地

探索しても所有者を確知できない土地。所有者が不明な場合のほか、所有者の所在が分からない場合も含まれる。

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