不動産ニュース / 調査・統計データ

2023/2/21

物流不動産、半年後の見通しは価格・賃料とも「横ばい」

 (株)一五不動産情報サービスは17日、物流施設の不動産市況に関するアンケート調査結果を発表した。1月25日から31日の期間に不動産投資サービスの提供事業者や仲介会社、銀行、物流会社、シンクタンクなどを対象に調査を実施した。有効回答数は98。

 半年後の物流施設の不動産価格の見通しについて聞いたところ、「横ばい」(62%)が最多で、「上昇」(26.5%)、「下落」(11.2%)と続いた。「上昇」回答は前回調査の58.8%から大幅に減少した一方で、「横ばい」(前回調査37.1%)、「下落」(同4.1%)が大幅に増加しており、先行きへの警戒感の高まりがうかがえる。

 それぞれの回答理由を見ると、上昇理由では「建築費が上昇するため」(21回答)が最多で、「今後も活発な投資が続くため」(16回答)が続いた。横ばいの理由では「キャップレートのさらなる低下が見込みづらいため」「金利上昇への懸念で、投資家が新たな投資に慎重になるため」がそれぞれ31回答で最多となった。下落の理由では「金利が上昇するため」(9回答)がトップだった。

 賃料水準についての半年後の見通しについては、「横ばい」(63.3%)が最多。「上昇」は26.5%、「下落」は10.2%。「上昇」の回答構成比は2021年1月の57.5%をピークに4回連続で減少し、「横ばい」「下落」の回答構成比が増加している。

 回答理由について、上昇理由では、「開発コストが上昇、堅調な需要が期待できるため」(22回答)が最多。横ばいの理由では「供給増とニーズの増加が均衡」が36回答で最多となり、前回調査と同傾向となった。また「ここ数年で加速した賃料上昇に、上げ止まりの兆しがみられるため」も35回答で、前回調査(22回答)から大幅に増加した。下落の理由では、「大量供給で、テナント獲得競争が激化するため」(7回答)が最多であった。

 不動産価格の業況判断DIは15.3ポイントと、前回調査の54.7ポイントから大幅に下落。賃料水準の業況判断DIは16.3ポイントで、同19.6ポイントからやや下落。不動産価格の業況判断DIの下落幅が大きい理由として、同社は、「賃料下落による収益性の低下に加え、金利上昇への懸念もあることから、先行きに悲観的な意見が広がっていることがその要因」と分析している。

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