不動産ニュース / イベント・セミナー

2023/12/18

「不動産業界で働く女性の活躍に期待」/WBN

「設立から7年。今後も継続して活動することで女性活躍を支援していく」と挨拶した三橋理事長
川合氏は「社会の改善に終わりはない。次の世代に受け継ぐことができるよう貢献していくことが、われわれの役割」と話した

 (一社)日本女性ビジネスネットワーク協会(WBN)は15日、「不動産業界における女性への期待」をテーマに、すまい・るホール(東京都文京区)で日米シンポジウムを開催した。

 同協会は、女性がより快適に仕事に従事し、活躍できる環境を考えることで、ビジネスの場や社会全体のあり方を根本から改善していくことを目的に、2016年1月に設立されたもの。

 冒頭、同協会理事長の三橋博巳氏が「当協会を設立してから7年目を迎えた。これまで、セミナーやシンポジウム、勉強会、日米交流研修会などを行ない、日本における女性の活躍推進を支援してきたが、諸外国に比べるとまだまだという感は否めない。女性がより快適に仕事ができる環境の整備など、今後も継続して活動することで女性活躍を支援していく」と挨拶。
 来賓を代表し、国土交通省不動産・建設経済局不動産業課長の川合紀子氏は、「育児休暇、時短など、現在の働きやすくなった環境は、前の世代の方々が声を挙げ、さまざまな議論を重ねた結果によるもの。“変化”に抵抗感があった人も、少しずつ意識改革されてきた。社会の改善に終わりはない。次の世代に受け継ぐことができるよう貢献していくことが、われわれの役割」と話した。

 ゲストスピーカーとして、(独)住宅金融支援機構理事長の毛利信二氏が登壇。「女性活躍とこれからの働き方」をテーマに講演し、「不動産業は“情報”と“信頼”の産業。多様化する需要に個別に丁寧に対応することで顧客の信頼を勝ち得る。その上で顧客に寄り添ったきめ細やかな情報・サービスを提供することがますます求められるだろう。ほかのサービス産業分野と比べ、こうした仕事には女性のほうが生産性が高く、報酬も多く得られる可能性があるのではないか」と述べた。
 John L.Scott Real Estate リアルターの三井 まりこ氏は、英語力ゼロから猛勉強の末、不動産仲介免許を取得。GLIT(「やり抜く力」「粘る力」)を味方に、米国リアルターとして活躍できたこれまでについて紹介。
 三井不動産(株)執行役員の宇都宮 幹子氏は、女性活躍の現場にいる女性たちに「都合の良いロールモデルは存在しない。そのことを言い訳にせず、自分が“こういう人になりたい”という人物像を思い描き、考えることが大切。自信がなくても、挑戦してみると意外な発見がある。頑張って、努力して、工夫して、それでもできなければ“任せた上司と組織に見る目がなかった”と開き直ってもいいのでは」とエールを送った。

 引き続き、三井氏、宇都宮氏に加え、(独)住宅金融支援機構理事の城野敏江氏、The Kobayashi Group, Derector of Asia/Pacificの大谷香奈氏、Hawaii 5-0 Propertiesd, Inc., Broker-in-Chargeの一棟多代氏が、「日本における不動産業、女性活躍への今後の課題」をテーマにディスカッション。「女性活躍の阻害要因の一つは、現場の“ミドルマネジメント”。仕事が第一、家庭が第二、そうした昭和の価値観で仕事をしてきた人の考えを変えるのは難しいのでは」「管理職の心得として、個々のキャリアパスを考え、相手に期待して、活躍の機会をつくることが必要。自分の中にどういうバイアスがあるのかに気付くことも大切」「女性が仕事で結果を出す、社会に認めてもらうために、どのようなことをしていく必要があるのか、ここをきちんと考えていかなくてはならないのでは」など、さまざまな意見が挙がった。

 閉会の挨拶に、同協会理事で(一社)不動産女性塾塾長の北澤艶子氏が登壇。「不動産の仕事は女性に向いている。まだまだ女性が活躍できる予定があると思う。一緒に頑張りましょう」と締め括った。

「女性活躍とこれからの働き方」をテーマに講演した毛利氏
日米で活躍する5名がディスカッションを実施。女性活躍に対する認識、日本における女性活躍の阻害要因と対応などについて意見を述べた

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お知らせ

2024/5/1

「海外トピックス」を更新しました。

サントスの「動く博物館」と中心街の再活性化【ブラジル】」を更新しました。

ブラジル・サンパウロ州のサントスでは、旧市街地2.8キロをめぐる「動く博物館」が人気となっている。1971年には一度廃止された路面電車を復活して観光路面電車としたものだが、なんと日本から贈られた車両も活躍しているという。