不動産ニュース / 開発・分譲

2024/9/27

国内初、「気候テック」領域でイノベーション拠点/三菱地所

「0 Club」ラウンジスペース
企業が入居する個室

 三菱地所(株)は、温室効果ガス削減など脱炭素社会に向けた気候変動対策を目的としたテクノロジー「気候テック」領域における国内初のイノベーション拠点「0 Club(ゼロクラブ)」を10月1日に開業すると発表。9月27日、同拠点を報道陣に公開した。

 東京メトロ東西線「大手町」駅直結の「新大手町ビル」(東京都千代田区)3階に開設。丸の内エリアは、28路線13駅を利用可能と交通利便性が高いほか、5,000超の事業所が集積し、就業者数は約35万人に上る。多様な企業が集まり、企業と企業および人と人が能動的につながりやすい立地であること、同エリアでのスタートアップ企業およびアカデミアと同社との連携関係がすでにあることから、同ビルでの開設に至った。

 面積は約1,800平方メートル。偶発的なコミュニケーションを生むため、カフェ・ラウンジを中心に放射状に什器付き個室(39室・定員2~50人)を配置。個室エリアには会議室やテレフォンブースを点在させ、同拠点内の回遊を促す設計とした。

 内装や家具、什器の使用素材は、アップサイクル・リサイクル・環境配慮型の素材に限定。解体工事や内装工事は最小化を図り、通常は下地材として使われる素材や壁に隠れる鉄骨下地をあえて露出させるなどにより、新たに作る量を最小限にとどめた。

 (株)クリーンエナジーコネクト(東京都千代田区、代表取締役:内田鉄平)が提供するバーチャルPPAサービスを採用し、同拠点で使用する電力をカーボンフリーに。なお、同社はすでに同拠点への入居が決まっている。

 さらに、国立大学法人東京大学と協働し、社会人向けリスキリングプログラム「Climate Tech リカレント講座(仮称)」を開設。同拠点において対面形式での講義やワークショップを開催し、気候テックやGX領域に通じた人材育成および人材輩出を目指す。研究開発支援コンサルティングを手掛ける(株)アークレブ(東京都港区、代表取締役:浅井 誠氏)とも連携し、入居企業と国内外の研究者とのマッチングを支援する。オープンイノベーションプラットフォーム「Tokyo Marunouchi Innovation Platform」(TMIP)会員に向けたスタートアップピッチの実施なども計画している。

 契約準備段階を含め、現時点で同拠点への入居が決まっているのは5社ほど。今後は、三菱地所が大丸有エリアで運営する5つのイノベーション施設との連携も図っていく。同社執行役常務の荒木治彦氏は、「『0 Club』は、三菱地所グループという枠を越えて、地球レベルで環境負荷低減に尽力するべく始動したもの。この場所からさまざまな事業が生まれ、温室効果ガス排出量削減にインパクトをもたらすとともに、丸の内に気候テック企業が集積しているという新たなイメージを社会に認知させたい」と話した。

「『0 Club』から生まれる事業で温室効果ガス排出量削減にインパクトをもたらしたい」などと話す三菱地所執行役常務の荒木氏

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