国土交通省は26日、 1月1日の令和6年能登半島地震の発生から丸1年となる12月末時点での復旧・復興の実績見込み、および今後の主な予定を公表した。
全体認識として、同省では9月の豪雨での被災を含め、二次災害に直結するような切迫した被災箇所の応急対策はすべて終わり、機能回復対策は順調に進捗しているとした。その上で、本格的な復旧・対策への着手も順次スタートしている。また、住まいの再建に向けた事前相談や、漁業の再開・空路の増便など、暮らしや生業の再生に向けた動きも徐々に活発化しているとみる。
復興まちづくり計画等については、石川県が6月に公表した基本方針を踏まえて、一部市町が復興まちづくり計画を策定・公表。その他の市町においても素案の作成段階に入っている。復興まちづくり計画を作成するすべての被災市町において、2025年3月までに計画が策定・公表される見込みだという。
まちの復興に向けた機運醸成に向けた取り組みでは、24年9月に輪島の朝市イベントを30店舗以上が参加して開催。仮設店舗・仮設工房は26日時点で5市町112区画がオープンしている。
住まいに目を向けると、建設型応急仮設住宅の必要戸数6,882戸すべては同年12月までに完成し、同月20日までに9割超となる6,410戸が入居済み。豪雨被災者向けの286戸についてもすべて着工済みで、25年3月末までの完成を目指す。
住まい再建については、自力再建が困難な被災者向けに「恒久使用も視野に入れた木造応急仮設住宅」を6市町1,603戸供給。また、災害公営住宅の被災者ニーズ調査も進めており、全体的な必要戸数は約3,000戸と推計している。災害公営住宅を整備予定の10市町のうち、石川県能登町と富山県氷見市ではすでに設計に着手し、用地選定に入っているという。24年度内には大半の市町で設計に着手できる見込みだという。
自力再建を目指す被災者の住まいについては、石川県が2月に被災住宅相談窓口を開設しこれまでに2,500件超の相談を受けている。さらに、(独)住宅金融支援機構の災害復興住宅融資を通じて支援しており、同年11月末時点で99件の融資受理実績となっている。
液状化によって傾斜した住宅の修復については、支援を同年7月にスタート。同年12月1日時点で石川県・富山県・新潟県の3件で698件の支援申請を受理している。
このほか、同省では上下水道・道路、河川・土砂災害など全般的な復興状況について現状等をまとめている。