不動産ニュース / その他

2017/10/27

所有者不明土地、40年までの経済損失6兆円

 所有者不明土地問題研究会(座長:増田寛也氏[東京大学公共政策大学院客員教授])は26日、いわゆる「所有者不明土地」に関する面積将来推計と経済的損失についてまとめた。

 同研究会は、不動産登記簿によって所有者が直ちに判明しない・判明しても所有者に連絡がつかない土地を「所有者不明土地」とし、その問題点等を研究するために2017年1月に設置。6回のワーキングを実施し、6月には中間整理も発表している。

 所有者不明土地の将来的な影響を把握するために、国立社会保障・人口問題研究所の死亡者数データと同会のウェブアンケートから算出した“相続登記が行なわれない”比率から、40年までに所有者不明土地がどれだけ発生するかを推計し、それに基づいて経済的損失を算出した。

 20~40年に発生する土地相続のうち、約27~29%が未登記になる可能性があることが分かった。同会の調査によると16年時点で約410万haが所有者不明で、このまま増加防止措置がない場合、40年には約720万haになると推計した。北海道本島(約780万ha)に近い面積なる。

 利活用や管理にかかるコストなどを推計し、経済的損失についても算出。17~40年の累積損失額は、約6兆円。利活用の機会損失が約2兆2,000億円、管理不行き届きによって本来農地・森林として機能していたもの等が損失することで、約3兆6,000億円が失われるとした。災害発生時の潜在コスト等は算出できなかったので、損失が拡大する可能性もある。

 また、単年ごとの損失を推計すると、16年単年約1,800億円だったのに対して、所有者不明土地が増加することで40年には単年で3,100億円もの損失が発生すると推計した。

記事のキーワード 一覧

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2024年5月号
住宅確保要配慮者を支援しつつオーナーにも配慮するには?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2024/4/5

「月刊不動産流通2024年5月号」発売開始!

月刊不動産流通2024年5月号」の発売を開始しました。

さまざまな事情を抱える人々が、安定的な生活を送るために、不動産事業者ができることとはなんでしょうか?今回の特集「『賃貸仲介・管理業の未来』Part 7 住宅弱者を支える 」では、部屋探しのみならず、日々の暮らしの支援まで取り組む事業者を紹介します。