シービーアールイー(株)(CBRE)は24日、2019年第2四半期の全国13都市オフィスビル市場動向調査結果を発表した。
東京(23区)のオールグレードの空室率は0.7%(前期比0.1ポイント上昇)と、8四半期ぶりにわずかながら上昇した。18年竣工のビルへテナントが移転した後の二次空室が発生したことが要因。また、新築ビル1棟が空室を残したまま竣工したため、グレードAの空室率も0.8%(同0.2ポイント上昇)と5期ぶりに上昇。一方では、拡張移転のほか、分室や建て替えに伴う立ち退き移転等の需要が引き続きみられている。
賃料は、オールグレードで坪当たり2万2,490円(同0.6%上昇)と上昇。全グレードの中で唯一空室率が低下したグレードBの賃料は、2万3,100円(同1.3%上昇)に上昇した。グレードAの賃料は、3万7,950円(同0.9%上昇)。
同社ビル営業本部長の上遠野 孝氏は今後のマーケットについて、「拡張ニーズは相変わらず強いが、物件によってはテナントとオーナーの賃料目線が乖離し、後継テナントの誘致に時間を要するケースもみられる。二次空室も出始めた中、条件面で柔軟に対応するオーナーも徐々に増えている」とコメントしている。
大阪は、オールグレード空室率が1.2%(同0.1ポイント低下)と、1993年の調査開始以来、最低値の更新が継続中。新規供給が本格化する2022年以降まで需給の緩和は考えにくく、空室の希少性が期を追うごとに高まっているとしている。オールグレードの賃料は1万3,440円(同1.7%増)。
名古屋のオールグレード空室率は0.9%(同0.1ポイント低下)と、初の1%割れとなった。オールグレード賃料は1万3,110円(同1.4%上昇)だった。
地方都市の空室率は、10都市中6都市で前期に比べて低下。3都市で上昇、1都市で横ばいとなった。