不動産ニュース / 団体・グループ

2020/9/25

大阪宅協の独自VCが発足

 (一社)大阪府宅地建物取引業協会は24日、新たな会員支援事業として立ち上げるボランタリーチェーン「TAKTAS.」の募集を開始した。当日はグランフロント大阪でスタートアップセレモニーも実施し、事業内容の説明等が行なわれた。

 同事業は、同協会の会員企業の多くを占める中小事業者の市場シェアが縮小傾向であることを受け、数年前から検討を進めていた。研修会等を通じて会員企業から意見を吸い上げ、悩みごとや困りごとを抽出。それを踏まえ、協会内の会員事業推進委員会で会員によるボランタリーチェーンの設立を発案した。独自の事業者間ネットワークの構築、統一ロゴによるネームバリューの向上、日常業務を効率化するツールの提供等を通じて取引量の増大などを目指す。仕組みの構築には、不動産テックを活用した業務効率化等で実績のある(株)クラスコ(石川県金沢市、代表取締役社長:小村典弘氏)の協力を仰いだ。

 加盟店は、メンバーサイト上で物件情報をはじめとしたさまざまな情報を共有できる。一般的な業者間のDBに消費者はアクセスできないが、同DBでは特定の物件ページに限って消費者もアクセス可能にしたため、物件登録時に自動生成したQRコードやURLを、チラシや自社サイトに張り付ければ直接広告に活用することもできる。物件登録には、動画や360度カメラの画像も登録可能。
 物件ページからは簡単にファクトシート(物件概要書)の印刷もできる仕様に。テンプレートを選択すれば、TAKTAS.の共通ロゴを使った統一フォーマットのファクトシートが生成され、印刷した加盟店の名前が自動的に表示されるなど、業務効率化にも寄与する。

 また、悩みごと・困りごと等もメンバーサイト上に書き込むことができる。会員の集合知による悩みごとの解決だけではなく、書き込みの検索機能も搭載することで、過去の似たような悩みの相談を参考にすることもできる。このほかにもオプションサービスとして360度カメラやバーチャルステージングといったサービスも提供していく。

 オンラインだけでなく、加盟店交流会などオフラインの人脈づくりも行なっていくことで、加盟店の横のつながりを醸成していく。

 9月24日から加盟募集を開始。同協会の会員企業のうち、処分歴や研修出席数などの条件をクリアした会員のみが入会できる。10月15日に運用を開始し、11月から本格稼働させる予定。随時新しいシステム・サービスの導入も進めていく。加盟金は10万円、看板・販促ツール等の加盟キットが3万円、月額会費は5,000円から。

 同協会会長の高村永振氏は、「当協会は、約8,500名の会員を抱えているが、その多くが中小事業者だ。大手の寡占化が進む中で、生き残りに向けたネットワークとしてTAKTAS.を立ち上げた。大阪宅協のスケールメリットを生かし、横のつながりの確保、悩みごとも含めた情報共有をしてほしい。将来的には会員以外の関連事業者や教育機関とも連携した大阪ローカルのプラットフォームとして成長させたい」などと話した。

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