不動産ニュース / 調査・統計データ

2022/1/27

東京23区のオールグレード空室率は3.9%

 シービーアールイー(株)(CBRE)は27日、2021年第4四半期の全国13都市オフィスビル市場動向調査の結果を発表した。

 東京(23区)のオールグレード空室率は3.9%(前期比0.3ポイント上昇)。二次空室や減床などによるまとまった空室が発生した一方、比較的大型の拡張や立地改善移転などが増加。グレードの高いビルを中心に空室消化が進んだ。オールグレード賃料は1坪当たり2万1,910円(同0.9%下落)。23年の大型供給を前に、グレードが高いほど需要獲得のための賃料調整が進んだ。
 グレードA(※)の空室率は2.5%(同0.1ポイント上昇)、賃料は3万5,400円(同1.7%下落)。同様に大型供給側の賃料調整によって、空室率の上昇を抑えているとしており、今後も需給の緩和とともに、賃料の下落基調は続くとみられる。なお、グレードA賃料は向こう1年間で5.1%の下落を予想している。

 大阪は、オールグレード空室率が2.9%(同0.1ポイント上昇)。テナントのコスト意識は依然高く、求められる面積も中小型が多い。このためグレードBはグレードAに比べ、解約も多かったが、空室消化の動きも多かった。オールグレード賃料は1万4,330円(同0.8%下落)と、22年の大型供給を前にテナント確保のための賃料調整が前期に比べやや加速した。
 グレードA空室率は2.0%(同0.1ポイント上昇)、賃料は2万5,050円(同2.0%下落)。テナントの動きは鈍く、引き合いは見られるものの、大型かつ高額賃料帯のビルではテナント決定までに時間を要する傾向にあるとした。賃料も下落幅が大きく、22年に控える大型供給を前に、テナント確保のための賃料調整が21年末にかけて進んだとみている。グレードA賃料は向こう1年間で3.6%の下落を予想する。

 名古屋は、オールグレード空室率が4.6%(同0.8ポイント上昇)と、新築ビルが空室を抱えて竣工したことなどにより空室率は上昇。一方、100坪超区画の契約が増加傾向にあり、拡張や立地改善移転などでまとまった空室が消化された。オールグレード賃料は1万3,840円(同0.1%下落)と、まとまった空室を抱えるビルを中心に募集賃料の引き下げがみられた。
 グレードAは空室率が3.9%(同0.6ポイント上昇)、賃料は2万7,150円(同0.5%下落)。空室消化に時間を要した。また賃料も前期に続き、まとまった空室を抱えるビルを中心に募集賃料を引き下げる動きが見られた。グレードA賃料は向こう1年間で2.2%の下落を予想する。

 地方都市のオールグレード空室率は、10都市中5都市で前期に比べて上昇、4都市で低下、1都市で横ばい。100坪以上のまとまった空室が発生した一方、拡張や建て替え移転などで大型の空室が消化された。賃料は10都市中、6都市で前期に比べて上昇、3都市で下落、1都市で横ばいに。上昇した都市の多くは、新築ビルが平均を上回る賃料で契約したことなどが主因としている。

※オフィスが集積するエリアの貸室総面積6,500坪以上、延床面積1万坪以上、基準階面積350坪(東京500坪)以上、築年数概ね15年未満。

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