不動産ニュース / 不動産金融・証券化

2023/9/29

信頼性の向上で不動産CF市場の発展へ寄与

「不動産CF業界の信頼性、透明性、認知度の向上に寄与する活動で、業界発展拡大に寄与していきたい」と抱負を述べる横田代表理事

 (一社)不動産クラウドファンディング協会は28日、丸の内トラストタワーで、設立記念イベントを開催した。

 同協会は、不動産クラウドファンディング(CF)サービスを提供する企業を会員とし、不動産CF業界の信頼性と透明性の向上により、消費者(個人投資家)を保護し、業界のさらなる発展・拡大に寄与することを目的に8月30日に発足。代表理事には、不動産ファンドオンラインマーケットサービスを展開するクリアル(株)代表取締役社長の横田大造氏が就任した。発足時の会員は18社。

 記念イベントでは、代表理事の横田氏が、不動産CF市場の現況や今後の課題、協会活動について解説した。不動産CF市場について横田氏は「不動産テックの潮流と、いわゆる老後2,000万円問題に始まる個人の資産形成機運の醸成で、市場はさらなる拡大が見込まれる。不動産のオンライン取引は始まったばかりで、ユーザーの投資経験はわずか2.6%。不動産CFは不動産投資の小口化とコモディティ化に貢献しており、ミドルリスク・ミドルリターンという商品特性も、“損をしたくない”という日本人に合っている」とした。
 不動産CFサービスを手掛けるプレイヤーも70社に迫っているが、一方で今後参入企業が増える中「虚偽表示での資金募集」や「ずさんなプロジェクト管理」などで、元本償却が困難となる商品が発生しないとも限らないとし「業界規模が拡大する中で、客観的・中立的立場から業界全体を俯瞰する機関が必要」(横田氏)と協会設立の狙いを話し、「不動産CF業界の信頼性、透明性、認知度の向上に寄与する活動で、業界発展拡大に寄与していきたい」(同)と抱負を述べた。

 今後は(1)業界ルール・ガイドラインの策定、(2)クラウドファンディングデータベースの構築、(3)業界レポートやホワイトペーパーなどの情報発信、といった活動を展開する。(1)は国土交通省の不動産CFに係るガイドラインの周知徹底、行政への要望に加え、将来的には何らかの自主規制も検討していく。(2)は不動産CFサービスの重要な情報を中立的な立場で、広く一般投資家に開示していくシステムを構築する方針。「国の不動産証券化調査にプラスアルファした情報を開示したい」(同氏)。(3)は、不動産CFサービス数、業界規模(調達額)、アセットタイプ分類、利回り推移といったマーケットレポートをまとめて配信するほか、海外のサービス事例や事業者同士の交流、不動産CFの認知度向上に向けた施策の検討会、税制検討会なども展開する。

 横田氏は「サービス事業者の8割には会員となってもらいたい。また、ブロックチェーンを使った不動産STOのサービス事業者も入会の対象としたい」とし「協会会員であることがステータスとなるよう、協会をブランディングしていく」とした。

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2024年6月号
「特定空家」にしないため…
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2024/5/5

「月刊不動産流通2024年6月号」発売開始!

月刊不動産流通2024年6月号」の発売を開始しました!

編集部レポート「官民連携で進む 空き家対策Ⅳ 特措法改正でどう変わる」では、2023年12月施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」を国土交通省担当者が解説。

あわせて、二人三脚で空き家対策に取り組む各地の団体と自治体を取材しました。「滋賀県東近江市」「和歌山県橋本市」「新潟県三条市」「東京都調布市」が登場します!空き家の軒数も異なり、取り組みもさまざま。ぜひ、最新の取り組み事例をご覧ください。