国土交通省は25日、「マンション標準管理規約の見直し及び管理計画認定制度のあり方に関するワーキンググループ」(座長:齊藤広子横浜市立大学国際教養学部教授)の3回目の会合を開催。2回目の議論を踏まえ、内容を修正・コメントを追加した「マンション標準管理規約」の改正(案)について再び議論した。
議論に当たり、事務局が検討すべき項目を提示。(1)EV用充電設備の設置推進、(2)組合員名簿の更新等、(3)所在等が不明な区分所有者の探索費用の請求、(4)管理規約を変更した際の取り扱い、(5)総会資料の保管等、(6)修繕積立金の変更予定、(7)物流革新への対応、(8)管理運営等に影響を及ぼす事案の発生、(9)理事の員数、(10)掲示場所のデジタル化、(11)理事会の代理出席、(12)滞納管理費等の一部弁済の充当処理、(13)複合用途型における専用使用料の充当、を挙げた。
(2)では、区分所有者が第三者に専有部分を貸与する場合において、当該第三者の連絡先の届出に関する規定を追加。居住者名簿の作成に当たっては、災害時の避難において配慮が必要となる者を把握しておくことが望ましい旨をコメントに記載した。(4)の管理規約を変更した際には、保管すべき書面の作成方法に関するコメントを記載。(5)については、総会資料に準じ、理事会で使用した資料の保管等についても規定する。(6)では、「総会や理事会において検討されている直近の値上げ予定のみ開示されるのが一般的。それ以外の値上げ予定や具体的な値上げ額については開示されないおそれがある」ことから、別添4に修繕積立金の変更予定額等を位置付けるとした。
(7)については、トラブルなく置き配を実施しているマンションの使用細則等を分析。置き配に関する使用細則を定める際に参考となるポイントをとりまとめ、広く周知することに。(8)の管理運営等に影響を及ぼす事案の発生を管理組合が把握した際に、管理組合が取ることが望ましいと考えられる対応の例を記載。(12)では、理事会の判断で充当順を決めることができるよう変更すべきとの意見を踏まえ、第60条に規定を追加した。
これらについて委員から、「管理規約を変更した際、変更内容を反映した冊子を作成し、理事長が署名する方法に統一した方が良いと思う」「長期修繕計画の定義付けをしておくべきでは」「置き配に関する使用細則(案)の“宅配物の放置”は“宅配物の留め置き”に変更していただきたい」といった意見が挙がった。
また、「デジタル技術の活用に係る改正案」を事務局が提示した。監事が監査を行なう場合に、電子データを活用して遠隔地から監査することができる旨を明確化。閲覧対象となる資料が電子データで作成・保管されている場合において、組合員または利害関係人から求めがあるときには、電子メール等により提供することができる規定を追加した。
次回は、2024年1月31日10~12時に開催する予定。