不動産ニュース / イベント・セミナー

2022/12/9

「外国人受け入れサポート」セミナーに180名超

 (公財)日本賃貸住宅管理協会は9日、オーナー・不動産事業者のための「外国人の入居受け入れサポート」セミナーをオンライン形式で開催。180名超が視聴した。

 最初に、国土交通省住宅局住宅総合整備課企画計画係長の加賀田 茂史氏が「住宅セーフティネット制度」について説明。セーフティネット住宅の登録制度について、「現在、賃貸住宅供給促進計画は46都道府県、19市町で策定済み。面積基準の緩和は18都府県、10市で実施している(2022年9月末時点)」とし、「登録申請手続きの簡素化などにより、今年7月からすべての登録主体で登録手数料を廃止した。セーフティネット住宅の登録を促進していただければ」と話した。なお、47都道府県589法人が居住支援法人に指定(同)、都道府県別では大阪府が99法人と最多指定。

 同協会事務局は、賃貸人を対象とした「外国人入居受け入れアンケート」結果を発表した。回答者数は800件。
 外国人入居者に対する拒否感については、「従前から拒否感はない」(40.4%)がトップだった一方、「従前と変わらず拒否感が強い」(24.4%)との回答が次点となった。外国人入居者に対する拒否感は大きく二分され、拒否感がない理由は「仲介・管理業者に任せているため」(38.2%)がトップ。拒否感がある理由については、「生活ルールに対する不安」(34.8%)がトップだった。
 また、ヒアリングの結果、「人口減少に伴い、外国人の賃貸住宅の需要は無視できない。外国人対応ができないと、賃貸住宅の経営に大きな打撃をもたらす」「日本での生活ルールをしっかりと説明して理解してもらえれば、外国人の受け入れのハードルが下がると考えている」といった意見があった。

 引き続き、(株)日本エイジェント代表取締役社長の乃万春樹氏が「これから始める外国人賃貸戦略ver.2.0」をテーマにセミナーを実施した。「外国人賃貸2.0」とは、「自社でやらない業務を補完し合える『業務委託モデル』であり、誰もが情報を平等に取得、選択できる時代」と定義。「外国人賃貸の成功のカギは、“正しい手順”と“トップの覚悟”。特にトップの役割は重要で、全社員の前で旗を掲げることで社員の腹が決まる。オーナーに対しては、外国人入居者の受け入れは新しい空室対策であることなどを啓発し、理解してもらうことが重要」とアドバイスした。

 (株)三好不動産ソリューション事業部国際事業課シニアマネージャーの徳永晴彦氏は、年間平均約1,300戸の外国籍入居者を受け入れている経験を基に、受け入れの際の問題点と対策について紹介した。問題点は「騒音・ゴミ出しマナー」「夜逃げ」「滞納」「短期解約」「退去精算、原状回復」の5つで、「騒音やゴミ出しのマナーについては、契約時に母国言語で生活ルールの説明を行ない、定期的に物件を巡回することが大切」と言及。また、「夜逃げ防止のため、国内の緊急連絡先とは別に母国の親の連絡先情報を取得しておくこと。契約時に鍵を預かり、2週間連絡がとれない場合は入室の許可を事前にもらっておくようにすることが対策として有効」などと話した。

記事のキーワード 一覧

この記事の用語

住宅セーフティネット

住宅を確保するのが困難な者に対してその居住を支援するしくみをいう。 その対象となるのは、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を育成する家庭などの住宅確保要配慮者であり、住宅確保の方法として、 1...

続きはR.E.wordsへ

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2024年5月号
住宅確保要配慮者を支援しつつオーナーにも配慮するには?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2024/4/5

「月刊不動産流通2024年5月号」発売開始!

月刊不動産流通2024年5月号」の発売を開始しました。

さまざまな事情を抱える人々が、安定的な生活を送るために、不動産事業者ができることとはなんでしょうか?今回の特集「『賃貸仲介・管理業の未来』Part 7 住宅弱者を支える 」では、部屋探しのみならず、日々の暮らしの支援まで取り組む事業者を紹介します。