国土交通省は21日、「令和5年度マンション総合調査結果」を発表した。5年に一度行なっているもので、前回調査は2018年度。
マンション管理に関し、これまでの施策の効果の検証や、必要な施策の提示のための基礎的な資料を得ることを目的に、マンションの管理状況、マンション居住者の管理に対する意識などを調査したもの。調査期間は23年10月~24年3月で、郵送およびオンラインで実施。対象は、全国の管理組合4,270件、区分所有者8,540件。有効回収数は、管理組合が1,589件(回収率37.2%)、区分所有者が3,102件(同36.3%)。
マンション居住の状況では、居住者の高齢化が進み、70歳以上の割合が25.9%(前回調査比3.7%増)となった。完成年次が古いマンションほどその割合は高く、1984年以前に竣工したマンションにおける割合は55.9%と半数以上。また、居住するマンションで「永住するつもり」と回答した区分所有者の割合は60.4%(同2.4%減)だった。
賃貸住戸のあるマンションの割合は77.8%(同3.1%増)、3ヵ月以上の空室があるマンションの割合は34.0%(同3.3%減)で、いずれも完成年次が古いマンションほどその割合が高くなる傾向が見られた。
3ヵ月以上の空室があるマンションについて、完成年次別に見ると、1984年以前築のマンションでは空室が20%超という管理組合が2.9%、0%超~20%は56.8%。年次が新しくなるほど空室割合は低下し、15年以降築は20%超が0.6%、0%超~20%が16.8%、71.3%が空室がないと回答した。また、空室の中でも所有者が不明・未連絡の空室があるマンションの割合は3.3%だった。こちらも完成年次が古いほど割合が高くなる傾向にある。
マンション管理の状況では、計画期間25年以上の長期修繕計画に基づいて修繕積立金の額を設定しているマンションの割合は59.8%(同6.2%増)となった。積立方式については、均等積立方式の40.5%に対して、段階増額積立方式が47.1%。完成年次が新しいマンションほど段階増額積立方式を採用している割合が高く、15年以降築のマンションでは、8割超が段階増額積立方式を採用していた。現在の修繕積立金の積立額が計画に比べて不足しているマンションの割合は36.6%(同1.8%増)で、うち20%超の不足となっているマンションの割合は11.7%(同3.8%減)だった。
外部専門家の理事会役員への選任については、「検討している」「将来的に必要となれば検討したい」としたマンションの割合は34.6%(同6.3%増)。理由としては、「区分所有者の高齢化」が42.7%(同5.1%増)と最も多く、次いで「役員のなり手不足」が42.3%(同5.8%増)となった。
大規模災害への対応状況に関しては、「防災・災害対応策に関する情報を収集・周知している」と回答した管理組合の割合は23.7%(同6.8%増)と、約7%増加。「特に何もしていない」と回答した割合は11.6%(同11.8%減)で、12%近く減少した。